今月の主題 胸部X線からの肺疾患の診断と治療
均質性肺病変
肺アスペルギルス症
榊原 博樹
1
,
赤座 壽
1
,
古川 博史
1
1藤田保健衛生大学医学部・呼吸器アレルギー内科
pp.1352-1356
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901617
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ポイント
1)肺アスペルギルス症は宿主の免疫能や感染防御能の差異,肺局所疾患の有無により,侵襲性肺アスペルギルス症,菌球型アスペルギルス症,アレルギー性アスペルギルス症に大別される.
2)侵襲性肺アスペルギルス症は白血球の機能障害時に発症し,胸部X線写真上,区域~大葉性肺炎像,単発~多発性結節性陰影を呈することが多い.経過中に胸膜肥厚像やair crescent signを伴った空洞をみることが特徴である.
3)菌球型アスペルギルス症は胸部X線写真上,既存の空洞内にair crescent signを伴った特徴的な円形陰影として認められる.
4)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の急性期には,好酸球性肺炎による移動性反復性の浸潤影と粘液栓子による気管支の鋳型状陰影,無気肺像が特徴的である.慢性期には中枢性気管支拡張と肺の線維化による所見がみられる.
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