今月の主題 カルシウム代謝と骨
内分泌疾患と骨
甲状腺機能亢進症
山本 逸雄
1
1京都市立病院・内分泌内科
pp.1536-1537
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221835
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甲状腺機能亢進症における骨病変は,古くvon Recklinghausenによって報告されているが,"thyrotoxic osteoporosis"として骨塩減少をきたすものとして知られている.このosteoporosisは,組織学的にはいわゆるhigh turn over osteoporosisであって,骨代謝の亢進によるものであることが知られている1).多くの甲状腺機能亢進症の患者において骨型のアルカリ性フォスファターゼ(AL-PH)の上昇はしばしば認められ,治療に伴い,その減少がみられるが,このことも,骨代謝亢進の現れと考えられる.近年TSH抑制のために甲状腺ホルモンを投与されている患者におけるosteoporosisの存在も注目されている2).以下,甲状腺ホルモンの骨に対する作用,および,甲状腺機能亢進症患者の骨,カルシウム代謝について述べる.
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