今月の主題 老人診療のポイント
治療および処置上の注意点
転倒防止
江藤 文夫
1
1東京大学医学部附属病院・リハビリテーション部
pp.1364-1365
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221797
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■転倒原因の診断
転倒は大腿骨頸部骨折や硬膜下血腫などに直結する外傷機転を生じるのみでなく,その他の骨折や打撲や捻挫を伴うことが多く,日常生活を不活発にする要因として重大である.
転倒の原因は身体的因子と,生活環境に関連した外的因子に分けられる(表)1).多くの場合,複数の原因が見いだされる.老年者では高齢になるほど,転倒の頻度が増大するが,その中に心筋梗塞や肺炎などが先行していて,原疾患の典型症状を欠くために気付かれていない例があり,注意を要する.
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