今月の主題 老人診療のポイント
治療および処置上の注意点
頭痛・めまい・耳鳴
平井 俊策
1
1群馬大学医学部・神経内科
pp.1360-1362
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221796
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■頭痛
1.頭痛のタイプと神経症候のチェックがまず大切
頭痛は特に原因が多岐にわたり,極めて重篤なものから全く心配のいらないものまでいろいろである.したがってその処置・治療も原因疾患によって全く異なるので,まず原因をはっきりさせることが必要である.そのためには,どのようなタイプの頭痛であるか,頭痛以外の随伴症状,特に何らかの神経症候を伴っているかどうかということを素速くチェックすることが要求される.
頭痛のタイプとしては発症様式つまりtempo-ral profileとその程度が最も重要である.すなわち,その発症が急性(時間ないし日の単位),亜急性(日ないし週の単位)ないし慢性(月ないし年の単位)のいずれであるかという点,ならびに慢性頭痛では慢性,持続性か発作性,反復性のいずれであるかという点をまずはっきりさせる.そして急性ないし亜急性頭痛では,その性質,特に痛みの程度が従来経験したことがないようなものかどうかを確かめておく.
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