今月の主題 高血圧治療のポイント
特殊な高血圧の治療
クッシング症候群の高血圧治療
荻原 俊男
1
1大阪大学医学部・老年病医学
pp.1170-1171
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221747
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クッシング症候群は,慢性のコルチゾール過剰によりきたす中心性肥満や満月様顔貌,皮膚線条,多毛,痤瘡など,多彩な症状を伴う疾患である.高血圧も大部分の症例に認められ,典型的な二次性高血圧(内分泌性高血圧)に分類される疾患である.
本症候群の治療は外科的手術による原因療法が原則であるが,手術によりコルチゾールの過剰は正常化しても必ずしも高血圧が治癒しない場合があり,本症の予後を考える上で適切な高血圧のコントロールは重要な問題である.また,合併症や,原因疾患(とくに異所性ACTH症候群)により手術不可能な場合もあり,この場合も高血圧の治療が必要となる.
本稿では,クッシング症候群の高血圧の成因と内科的治療について概説する1).
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