今月の主題 高血圧治療のポイント
特殊な高血圧の治療
慢性腎炎,腎不全による高血圧の治療
保利 敬
1
,
小野山 薫
1
1九州大学医学部・第2内科
pp.1168-1169
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221746
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■高血圧の頻度
1)透析導入前
図1は,腎生検により原発性糸球体腎炎と診断された210例について,血清クレアチニン値と拡張期血圧の程度を示したものである.血清クレアチニン値が3.0mg/dl以上のいわゆる腎不全患者では,拡張期血圧が100mmHg以上を示す高血圧が60%に認められ,正常腎機能患者での10.3%と比較すると,明らかに高率であった1).透析導入直前の末期腎不全患者について,病歴,臨床所見から慢性糸球体腎炎が原疾患と考えられた症例では,83%が境界域高血圧ないしは高血圧を呈していた.
2)透析導入後
図2は,509例の慢性血液透析例と71例の透析導入直前症例における高血圧の頻度を示した2).前述のごとく,透析療法直前に高頻度に認められた高血圧は,血液透析導入後に減少し,さらに血液透析歴が増すにつれて次第に減少する傾向が認められた.
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