今月の主題 消化性潰瘍とその周辺
消化性潰瘍の管理
維持療法
吉田 行雄
1
,
木村 健
1自治医科大学・消化器内科
pp.466-469
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221583
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維持療法とは病変の再発,再燃の防止を目的とした薬物療法であり,なにも潰瘍治療に限って行われているものではない.例えば,心不全におけるジギタリス療法や,潰瘍性大腸炎のPSL療法などでも古くから一般に行われているものである.
消化性潰瘍においても維持療法は古くから行われていた.しかし臨床的に特にその必要性が強調されるようになったのはH2ブロッカーの出現以後のことである.これは,①H2ブロッカーの出現により,従来潰瘍治療の主眼であった治癒が比較的容易に得られるようになったこと,②H2ブロッカー投与中止後,早期に高率の再発がみられること,③H2ブロッカー投与に伴い,防御因子の低下やガストリン分泌の亢進1)など再発に関与するいくつかの可能性が指摘されていることなどによるものである.
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