今月の主題 炎症性肺疾患へのアプローチ
病態と概念—診断,治療との関連から
びまん性間質性肺炎
谷村 一則
1
,
本間 行彦
2
1北海道大学医学部・第1内科
2北海道大学保健診療所・内科
pp.194-197
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221509
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びまん性間質性肺炎は,種々の原因により引き起こされ,その病理組織学的所見も多様である.胸部X線所見では,びまん性に,両肺に,粒状ときにスリガラス状,網状陰影がみられるのを特徴とする.臨床症状は,ほとんど症状のないものから咳嗽,息切れ,呼吸困難を高度に認めるものまである.症状の進行も非常に緩徐なものから急性に進行して呼吸不全により急激に死亡するものまで広範である.
近年,びまん性間質性肺炎は増加の傾向にある.これは,環境などによる実質的増加と,これらの疾患に対する関心の高まりによると推測される.本症においても,診断技術の進歩は著しく,胸部CT,気管支肺胞洗浄液(Bronchoalveolar lavage fluid, BALF)検査,血清免疫学的検査,67Gaシンチグラム,病理組織学的検査などが広く応用されるようになった.その結果,鑑別および確定診断が容易になりつつあるといえ,それに伴う治療方法の選択も的確に行われつつある.
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