今月の主題 免疫不全とAIDS
AIDS
AIDSにみられる悪性腫瘍
今井 浩三
1
,
仲川 尚明
1
,
谷内 昭
1
1札幌医科大学・第1内科
pp.2742-2743
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221447
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AIDS患者においては,カポジ肉腫(KS),悪性リンパ腫,扁平上皮癌などの悪性腫瘍が好発することが知られている1).最近原因ウイルスであるHIV自身が癌を誘発するプロモーターあるいはエンハンサーを有していると報告される一方,Galloのグループは,種々のリンパ増殖性疾患患者の末梢血B細胞中に,形態学的にヒトヘルペスウイルスに類似した新しいvirusを同定し,これをhuman B lymphotropic virus(HBLV)と名づけた2).AIDSに合併したB細胞リンパ腫以外にも,菌状息肉腫,リンパ芽球性リンパ腫,皮膚型リンパ腺症,angioimmunoblastic lymphadenopathy,Tcell typeのALLでも検出されることから,AIDSに伴うB細胞リンパ腫との因果関係は明らかではないが,注目すべき報告と思われる.ここでは主にAIDS患者に高頻度にみられるカポジ肉腫および悪性リンパ腫について要約する.
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