今月の主題 免疫不全とAIDS
AIDS
AIDSの神経症状
濱田 潤一
1
,
厚東 篤生
1
1慶應義塾大学医学部・神経内科
pp.2744-2747
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221448
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AIDS患者にしばしば神経症状を認めることはよく知られている.多数例を集積した報告によると,約10%の症例では神経症状をもって初発し,全体では30〜60%に何らかの神経症状を認める1〜3).神経病理学的には,病変の頻度はさらに高く,80〜90%に達すると報告されている1,2,4).AIDSの存在が知られるようになってしばらくの問は,神経障害のほとんどが日和見感染によると考えられていた.しかし,最近になってAIDSの起因ウイルスであるHIV(human immunodeficiency virus)自体が,神経障害の発現に重要な役割を果たしていることが明らかにされている.本稿では,AIDS患者に認められる,これらの多彩な神経障害につき概説する.
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