今月の主題 免疫不全とAIDS
先天的免疫不全症
T-cell機能不全症
西谷 皓次
1
,
太田 善介
1
1岡山大学医学部・第3内科
pp.2682-2684
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221428
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すべての免疫担当細胞は骨髄幹細胞から分化してゆくが,胸腺という器官中の上皮細胞から分泌される胸腺ホルモンの影響下でeducateされ,分化・成熟し末梢に排出した細胞を胸腺由来リンパ球(Thymus-derived cells,T-cells)と呼ぶ.T-cellsは免疫機構の中で,とくに細胞性免疫(Cell-mediated immunity)に関係した移植片拒絶反応,ある種の細菌感染(結核菌,癲菌など),真菌症,ウイルス感染,寄生虫疾患などに対する生体防御反応において重要な役割を果たす細胞である.また,T-cellsはその機能,膜表面型によりhelper/inducer,suppressor/cytotoxicという2つの主なsubsetsに区別される.本稿においては先天的に胸腺を欠損した疾患,あるいは先天的にT-cells機能に異常を生ずる疾患について概説する.
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