今月の主題 免疫不全とAIDS
免疫不全症の治療
舟田 久
1
1金沢大学医学部附属病院・高密度無菌治療部
pp.2676-2680
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221427
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原発性と続発性を問わず,免疫不全症患者の管理で最も重要なのは,命取りとなりかねない感染への対処である.それで,免疫不全症の治療は,易感染性への対策(感染予防)と感染自体への対策(感染治療)から考える必要がある(表1).病原性の低い微生物による日和見感染が多く,反復発症と重症・難治化が特徴である.この点で,高度の免疫不全症の治療の主眼は感染予防,とくに免疫系の欠陥の矯正に置かれねばならない.原発性免疫不全症は特定の免疫系の著しい欠陥を主徴とし,多くが適切な免疫学的治療を必要とする.一方,続発性のものはもともと正常であった免疫系の基礎疾患やその治療による低下であり,免疫学的治療の対象となる症例の割合は小さい.それで,必要となる場合には,原発性免疫不全症での考え方が続発性のものにも敷衍される.
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