今月の主題 免疫不全とAIDS
先天的免疫不全症
B cell機能不全症
早川 浩
1
1東京大学医学部附属病院分院・小児科
pp.2685-2687
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221429
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B cell不全症の種類
B cellを中心とする原発性機能不全症は,B cellの個体発生的な機能の分化・成熟の障害として把握されており,その段階に応じてさまざまな疾患や病態が知られている.周知のように,B cellの分化・成熟にはT cellとその産生するリンホカインの関与が必要であり,これらによる調節機能の障害の結果としてB cellの機能不全をきたしている症例も数多い.また,重症複合免疫不全症などでは,T cell,B cell両系にわたる機能異常が,幹細胞レベルにおける障害によって起こっているものと考えられる.
ここでは,主としてB cell機能に不全があり,抗体産生系の異常を中心とする原発性免疫不全症候群の主なものについて簡単に述べる.
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