増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅵ 腎疾患治療薬
合併症としての腎障害
158.痛風腎の薬物治療
高橋 進
1
,
奈倉 勇爾
1
1日本大学医学部・第2内科
pp.2144-2145
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221278
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わが国において痛風は,糖尿病,高血圧,虚血性心疾患とならび代表的な成人病の1つになってきている.その数は,痛風予備軍としての高尿酸血症患者を含めると,100万人以上にのぼるものと推定される.また今日では,単に急性関節炎症状と結節を特色とする疾患というよりは,高尿酸血症に基づく全身性の慢性的な尿酸沈着により,腎結石,腎障害,心血管系障害や脂質代謝異常,糖代謝異常などをきたす全身性代謝疾患として位置づけられるようになってきた.
とくに戦後の食生活の改善により,摂取総カロリーや蛋白,脂肪,糖などの成分栄養の過剰摂取は痛風の発症頻度を増加させる重要な因子となっている.さらに家族内発症の増加にも示されるように,遺伝的関連性も強く示されるようになってきた.
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