外国文献
食道静脈瘤158例の経験
pp.87
発行日 1959年1月20日
Published Date 1959/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202314
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1953〜1955年の間に諸検査により確認された食道静脈瘤158例のうち,132例はLaennec肝硬変を原因とする.Laennec肝硬変患者の92%はアルコール常用者(平均17.3年)であつて,肝硬変患者は早晩食道静脈瘤破綻による出血死か,肝性コーマによりたおれる.
大出血をおこしたものは118例(89%)で,このうち104例(88%)は第1回出血後1年以内に死亡する.平均生存期間は第1回出血後6.4月である.患者の平均年齢は51.6歳であるが,27歳という若年者もふくまれる.平均出血回数は1.9回で,1回の出血につき行われた輸血量は平均9パイント(4l)であつた.出血死の原因は続発する肝性コーマが半数以上をしめる.このような大出血をおこすことなく,直接肝性コーマで死亡するものは8例6%にすぎない.出血時にはバルーンタンポンを行うが,長いものでは72日間もこの方法をつづけた.
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