増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅲ 呼吸器疾患治療薬
気管支喘息
76.キサンチン誘導体の見直し
川勝 一雄
1
,
川合 満
2
1京都大学結核胸部疾患研究所・付属病院薬剤部
2京都大学結核胸部疾患研究所・内科学第1部門
pp.1928-1929
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221196
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すでに19世紀中頃,キサンチン誘導体は喘息治療に有用である可能性が指摘されていた.その代表的化合物の1つであるテオフィリンは,現在,気管支喘息の薬物療法上重要な役割を果たしている.この20年足らずの間に,テオフィリンの臨床薬理学的研究が精力的に行われ,投与法については徐放性製剤の開発とともに,薬物速度論的手法の導入により安全で効果的な投与設計が可能となった.一方,テオフィリンの薬理作用,作用機序についても新しい考え方が提唱され,また,構造活性相関の研究成果は,肺選択性の高いキサンチン誘導体の開発を可能とした.
本稿では,これらの概要について述べる.
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