増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅰ 感染症治療薬
敗血症,一過性菌血症
26.菌血症と予防的抗生物質投与
増田 剛太
1
1東京都立駒込病院・感染症科(成人科)
pp.1806-1807
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221146
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菌血症の定義
流血中から細菌が検出されるような状態を,今日では一括して菌血症(Bacteremia)と定義する場合が多い.
これら症例のなかには,感染性心内膜炎や顆粒球減少症例にみられるように,持続的に流血中に細菌が証明され,菌体成分あるいはその代謝産物による発熱,ショック,DICその他の重篤な中毒症状を生じ,放置すれば通常は死に至る敗血症(Sepsis,Septicaemia)と,化膿性髄膜炎,肺炎,胆嚢炎や腸チフスなど特定の感染症で血中にも菌が証明されることのある疾患と,さらに,流血中からの菌証明が一過性で,ほとんどの場合に発熱などの臨床症状を伴わず,抗生剤などの投与を行わなくとも菌は速やかに血中から消失してしまう古典的な意味での一過性菌血症(Transient bacteremia)の3つに大別される.
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