増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅰ 感染症治療薬
日和見感染症
27.好中球減少症に伴う発熱の治療
森 眞由美
1
1東京都老人医療センター・血液科
pp.1808-1809
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221147
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好中球減少時の感染対策は,新しい抗生物質の開発とともに急速に進んできている.しかし今だに罹患率,死亡率ともに高い.その原因として,抗癌剤使用中の患者が多く,好中球数の減少ばかりでなくその機能や免疫系にも異常があること,静脈や尿道カテーテルなどの使用頻度が高く感染の機会が多いこと,広範囲の抗菌スペクトルをもつ抗生物質(広スペクトル抗生剤)の使用機会が多く,抗生物質抵抗性の菌が原因となることが多いこと,などがあげられる.これらの患者では自己の抵抗力がほとんどないため,感染初期の治療をいかに行うかが生死を決定するといえる.ちなみに緑膿菌感染で適当な治療を行わなかった場合には,24時間に36%が死亡する.
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