今月の主題 循環器疾患の画像診断
各論
弁膜疾患(僧帽弁逸脱を除く)
羽田 勝征
1
,
塩田 隆弘
1
,
坂本 二哉
1
1東京大学医学部・第2内科
pp.1029-1036
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220988
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい方法論や検査法が導入された当初はその有用性が強調されるが,その後の普及と経験から問題点,限界が指摘され始めてくるのは診断学の領域では珍しいことではない.
今日,弁膜疾患の画像診断と言えば,断層心エコー,カラードプラで代表されるごとく,胸部X線,X線CT,MRI法の弁膜症診断に果たす役割は少ないようである.これは超音波法により弁の形態,動態に関する情報が直接得られるのに対し,後者は装置が大がかりで弁そのものの観察はできず,心腔と大血管に関する形態情報のみで非特異的,間接所見に限られ,実時間の動態観察が不可能なためであろう.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.