今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全の治療
薬物療法の選択と意義
大西 明弘
1
,
石崎 高志
2
1東京慈恵会医科大学第3病院・内科
2国立病院医療センター・臨床薬理室
pp.612-618
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220888
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呼吸不全のため緊急な治療を必要とする患者は,主に気管支の攣縮,粘膜浮腫および分泌亢進の症候をもつ.また,これらの患者の大半は,基礎疾患として,慢性閉塞性肺疾患(COPD),喘息,呼吸器感染症などを併発していることも多い.そのため,呼吸管理および酸素療法,輸液療法などの治療はもちろんのことながら,気管支拡張剤,副腎皮質ステロイド,抗生物質などの治療が必要となる.
本稿では,気管支拡張剤,ステロイド,呼吸刺激(促進)剤,抗アレルギー剤,去痰剤など,呼吸不全に期待される薬剤の作用機序,適応,投与方法について記載する.なお,テオフィリンを除いては,臨床薬物動態理論,血中濃度モニタリング,有効血中濃度域などに基づく臨床薬理学的アプローチによる至適投与設計が今日不可能であり,今日まで経験的に行われてきた臨床知見についてのみ記載せざるを得ない.
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