今月の主題 薬物代謝酵素の遺伝的多型―特に個別化薬物治療を目ざして
総説
肝代謝酵素チトクロームP450遺伝的多型と臨床的意義
大西 明弘
1
,
戸田 剛太郎
1
Akihiro OHNISHI
1
,
Gotaro TODA
1
1東京慈恵会医科大学第三病院臨床検査医学講座・消化器・肝臓内科
キーワード:
チトクロームP450
,
遺伝的多型
,
薬物副作用
,
発癌
,
phenocopy
Keyword:
チトクロームP450
,
遺伝的多型
,
薬物副作用
,
発癌
,
phenocopy
pp.121-127
発行日 2004年2月15日
Published Date 2004/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100837
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〔SUMMARY〕 薬物の応答性,副作用には大きな個人差が存在する.近年薬物代謝能と遺伝的素因が研究され,酸化的薬物代謝酵素の遺伝的多型,人種較差が研究され,多くの薬物の代謝酵素(特にチトクロームP450)で遺伝的変異が発見され,応答性および副作用発現において薬物代謝酵素の遺伝的多型が一部起因すると考えられるようになった.日本人においてこの遺伝的多型が表現型(代謝活性)の低下に結びつく遺伝子変異はそれほど多くない.本稿に記載された遺伝的多型を習熟し,臨床で検査しやすい簡便な表現型検査を行うことで,よりpatient orientedな薬物治療が可能となる.〔臨床検査 48:121-127,2004〕
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