特集 内分泌疾患に強くなる
トピックス
甲状腺疾患と妊娠
荒田 尚子
1
1独立行政法人国立成育医療研究センター母性内科(代謝内分泌内科)
pp.1848-1852
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107047
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ポイント
◎妊娠初期にみられる甲状腺機能亢進症では,Basedow病とhCGのTSH受容体刺激作用に由来する妊娠性一過性甲状腺機能亢進症との鑑別にTSH受容体抗体(TRAb)の測定が有用である.
◎妊娠初期はチアマゾールの催奇形性のため,プロピルチオウラシルを第1選択薬とする.
◎妊娠後半になってもTRAb(コスミック®Ⅲ)が50%以上,あるいは高感度法で70%以上か10IU/L以上の場合は,胎児・新生児甲状腺機能亢進症の可能性が高い.
◎授乳中のBasedow病に対し,1日10mg以下のチアマゾールか,1日300mg以下のプロピルチオウラシルの投与は児の甲状腺機能に影響しない.
◎妊娠中の甲状腺機能低下症では,妊娠初期はTSH値2.5μU/mL未満,妊娠中期以降は3.0μU/mL未満を目標に,レボチロキシン量の調整を行う.
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