今月の主題 炎症性腸疾患とその周辺—診断と治療
診断
Crypt abscessと炎症性ポリープの病理所見
喜納 勇
1
1浜松医科大学医学部・病理学第1講座
pp.240-241
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220804
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Crypt abscess(陰窩膿瘍)とは
潰瘍性大腸炎を始めとする各種炎症性大腸疾患に,顕微鏡レベルで始めて認識できる病変で,図1がその代表的組織像である.
すなわち,大腸陰窩(crypt)—これはLieberkuhn腺ともいう—の腺腔内に好中球を主とする炎症性細胞が集簇して浸潤し,陰窩が程度の差こそあれ拡張している状態を指す.腺上皮細胞が変性を示す場合が多いがこれは必要条件でない.
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