増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
腺窩辺縁上皮〔marginal crypt epithelium(MCE)〕
八尾 建史
1
1福岡大学筑紫病院内視鏡部
キーワード:
表面微細構造
,
microsurface pattern
Keyword:
表面微細構造
,
microsurface pattern
pp.601
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200951
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定義
シェーマ1は,胃体部腺粘膜の表面から腺窩(crypt)までの比較的表層の組織断面図である.なお,腺頸部から深部の構造は光が到達しないので省略している.胃体部の腺窩は,粘膜表面に対して垂直に凹んでいるのが特徴である.組織学的には,表面の被蓋上皮(surface epithelium)も腺窩の上皮(crypt epithelium)も同じ腺窩上皮(foveolar epithelium)から成るが,NBI併用拡大内視鏡で視覚化される像は異なる.したがって,表面上皮(surface epithelium)と腺窩のへり,すなわち腺窩辺縁上皮(marginal crypt epithelium ; MCE)に区別する.一般に,NBI併用拡大内視鏡において,表面上皮は視覚化されないので,腺窩辺縁上皮が表面微細構造の指標として拡大内視鏡診断に用いられる1).
シェーマ2に腺窩辺縁上皮が視覚化される機序を示している.垂直方向に配列した腺窩辺縁上皮に短波長の狭帯域光を投射すると,後方散乱が起こり,それが垂直方向に集積し,白色半透明の帯状の腺窩辺縁上皮として視覚化される1).
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