今月の主題 炎症性腸疾患とその周辺—診断と治療
診断
Cobblestone像—典型的なX線像・内視鏡像
長廻 紘
1
1東京女子医科大学消化器病センター・消化器内科
pp.236-238
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220803
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Cobblestoneは敷石,丸石とも訳され,ヨーロッパの古い街路に今でも残っている石を,密にしかし一つ一つは離して敷きつめてできた石舗の,その石のことをいう.Crohn病のある時期の所見がcobblestoneを敷きつめた道に類似している所からcobblestone像とよばれる.
医学用語にはcobblestoneの他にもgargoyle様顔貌など,日本人にはピンと来ないヨーロッパの事物に由来する言葉が多いが,別に酷似しているわけではなく,印象が似ている程度のことが多い.Crohn病におけるcobblestone像は縦走潰瘍の多発,粘膜の盛り上り(主として粘膜下層の膨張)およびfissuring ulcersの組合せによって生じ,子細に較べると道路とは余り似ていない.むしろ街路のcobblestoneにこだわると混乱を起こしかねない.
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