Japanese
English
症例報告
全身性エリテマトーデス患者に生じたmetastatic tuberculous abscessの1例
A case of metastatic tuberculous abscess in a patient with systemic lupus erythematosus
清水 裕希
1
,
水野 麻衣
1
,
坂井 浩志
1
,
調 裕次
1
Yuki SHIMIZU
1
,
Mai MIZUNO
1
,
Hiroshi SAKAI
1
,
Hirotsugu SHIRABE
1
1NTT西日本大阪病院皮膚科
1Division of Dermatology, NTT West Osaka Hospital, Osaka Japan
キーワード:
metastatic tuberculous abscess
,
皮膚結核
,
全身性エリテマトーデス
,
tuberculous gumma
Keyword:
metastatic tuberculous abscess
,
皮膚結核
,
全身性エリテマトーデス
,
tuberculous gumma
pp.1009-1013
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103467
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要約 70歳,女性.44歳時に全身性エリテマトーデスを発症しプレドニゾロン5~15mg/日で加療中である.左前腕に発赤,疼痛を伴った硬結が出現し,その後右第2・4指の発赤,腫脹もみられるようになった.前腕の紅斑部の生検で真皮全層および皮下組織にリンパ球,組織球を中心とする細胞浸潤,類上皮細胞肉芽腫,壊死,膿瘍が認められた.抗菌剤,抗真菌剤,プレドニゾロン増量にて加療したが奏効しなかった.クオンティフェロン試験陽性,組織からの培養,PCR法にて結核菌が証明された.Ziehl-neelsen染色で組織に抗酸菌を認め,metastatic tuberculous abscessと診断した.本疾患は免疫不全患者でみられる真性皮膚結核の1つで,しばしば他の感染症と誤診され診断が遅れることがある.SLE患者のような免疫不全患者で多発性の発赤や硬結をみたときには本疾患を考慮する必要がある.
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