特集 消化管の拡大内視鏡観察2007
コラム
aberrant crypt foci
高山 哲治
1
,
永島 裕之
1
,
新津 洋司郎
1
Tetsuji Takayama
1
,
Hiroyuki Nagashima
1
,
Yoshiro Niitsu
1
1札幌医科大学医学部内科学第4講座
pp.855-856
発行日 2007年4月26日
Published Date 2007/4/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101097
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1987年Bird1)は大腸発癌剤(アゾキシメタン)処理したマウス大腸に,メチレンブルーに濃染する微小病変を実体顕微鏡下に観察し,aberrant crypt foci(以下 ACF)と命名した.この論文の中で,ACFは①肉眼的には正常に見える,②実体顕微鏡下に観察しうるメチレンブルーに濃染する腺管の集まり,③正常腺管より大きい腺管から成る,と定義されている.④として,各腺管のpericryptal spaceが広いこと,が定義の1つに含まれることがある.ACFは,細胞増殖活性の亢進やK-ras遺伝子変異が高率に認められることから,動物における大腸腺腫,さらには癌の前病変と考えられている.実際に,イヌのACFを経時的に観察すると,やがてdysplasiaが出現し,癌になることが立証されている.
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