救急 図解・救命救急治療【新連載】
心肺蘇生の新しい概念とその限界
山本 保博
1
,
黒川 顕
1
1日本医科大学・救命救急センター
pp.164-169
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220784
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最近の救急センターでは,DOA(dead onarrival,入室時心肺停止患者)が目出つようになってきた.救急情報システムの発達や,救急患者に対する世間の目が厳しくなってきたためだろうか,救急隊員も心肺蘇生を施行しながら何とか医療機関に搬送しようと努力することにも理由があるのだろうか.東京においては,病院前心肺停止(prehospital cardiopulmonary arrest)患者の蘇生成功率はすでに25%を越えている.
心肺蘇生は,古くて新しい問題を多く含んでいる.胸骨を圧迫すると心臓から血液が駆出するというmechanismが,まだ十分解明されていない.それゆえ,閉胸式がよいのか,開胸式心肺蘇生にしたほうがよいのかも議論のあるところである.
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