プログレス
心肺蘇生法の新しい考えかた・1
山本 保博
1
1日本医科大学救命救急センター
pp.45
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102930
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最近の救急センターでは,DOA(dead on arrival,入室時心肺停止患者)が目だつようになってきた.高齢化社会の到来,救急情報システムの発達,また最近では心停止状態で発見され社会死状態の患者でも救急隊員が心肺蘇生を施行しながら何とか医療機関に搬送しようと努力することにも理由があるのだろうか.東京における病院担送後7日目の生存率は,昭和63年のデータでは,病院前心肺停止(prehospital cardiopulmonary arrest)患者の蘇生成功率はすでに6.7%を越えている.
心肺蘇生は,古くて新しい問題を多く含んでいる.胸骨を圧迫すると何故心臓から血液が駆出するというメカニズムが,まだ十分解明されていない.それゆえ,閉胸式が良いのか,開胸式心肺蘇生にしたほうが良いのかも論議のあるところである.
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