今月の主題 糖尿病診療の現況
糖尿病の診断とコントロール基準
コントロールの指標となる検査
坂本 信夫
1
,
佐藤 祐造
1
1名古屋大学医学部・第3内科
pp.22-23
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220752
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糖尿病のコントロールの良否
糖尿病の病因は一元的に整理できず,臨床的に一定の特質を示す症候群と考えられているが,その特質をもたらす原因が"生体内におけるインスリン作用の不足"であることは今日疑いのないところである.したがって,糖尿病の治療(コントロール)の良否は,"インスリン作用不足による代謝異常を是正するとともに,できるだけ通常の社会生活を営みうる体力を保持させる"ことの成否を判断の根拠としなければならない.
コントロールの指標としては,血糖,グリコヘモグロビン,尿糖・ケトン体,血清脂質など代謝状態を判断するもの(化学的コントロールchemi-cal control)と,それに加えて,体重,血圧,臨床症状の程度や合併症の有無など総合的なもの(臨床的コントロールclinical control)とがある.主な指標と判定基準を表に示す.
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