一冊の本
「歴史」(ヘロドトス,松平千秋訳,岩波文庫,昭和46年)
長廻 紘
1
1東京女子医科大学・消化器病センター
pp.1287
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220465
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若いうちは何でも読める.内容が判らなくても判ったつもりになって読める.段々年をとると時間的制約があってなかなか本を読む時間がなくなるし,読んで判らないものはすぐ投げ出す.よほど面白くないとまず読まなくなる.面白いのがよいといって漫画や推理・冒険ものばかり読むわけにもいかない.時にはsophisticated and highbrowな本も読まないといけない.そういう時に読むのは昔読んで気にいったもので,かつどこから読んでどこで終ってもよいもの,がよい.それには歴史の本がよい.但し新しい分野だと人名や地名をみただけでうんざりするから,そういうことにうんざりしない若いうちに,何回も読むに耐える本につばをつけておく.私は偶然の機会にめぐまれて,史記,三国史,読史余論,歴史(ヘロドトス),ローマ史(ギボン)などに出会い,今でも年に1回ぐらいはどれかのどこかをひもとく.
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