今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
免疫からみた呼吸器感染症
呼吸器における感染防御機構
安藤 正幸
1
1熊本大学医学部・第1内科
pp.1120-1123
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220427
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呼吸器は,ガス交換の場として直接外界の大気と接しているために,感染に対してはきわめて不利な臓器といえる.そのため呼吸器には,感染因子の侵襲を防ぐための多種多様な感染防御機構が発達している(表)が,とくに大気に接している気道表面および気道粘膜には,他臓器にみられない特殊な防御装置がそなわっている.なかでも,体液性免疫および細胞性免疫の機序による感染防御機構は,気道防御の中心的役割をなしている.
そこで本稿では,呼吸器の感染防御機構を主として免疫学的立場から,①リンパ組織および細胞による防御,②貪食系細胞による防御,③体液性免疫による防御,および,④細胞性免疫による防御に分けて概説する.なお,貪食系細胞による防御については必ずしも免疫学的に特異的な防御機構とはいえないが,免疫応答に関与している部分もあり,一括して述べる.
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