今月の主題 呼吸器と免疫・アレルギー
editorial
呼吸器と免疫・アレルギー
泉 孝英
1
1京都大学結核胸部疾患研究所・内科第2
pp.1116-1119
発行日 1986年7月10日
Published Date 1986/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220426
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"免疫とは本来疾病からまぬがれる生体現象を意味し,古くは伝染病において,疾病から回復した人々が同じ病に再び陥らないことを意味した.現在は以上のような現象をも含めて,免疫原すなわち抗原に対する生体のリンパ球およびマクロファージなど(免疫担当細胞)が担った反応(免疫応答)が何らかの形で持続している状態を総称して免疫とよんでいる"(織田・堀内・狩野・多田編:免疫学用語辞典.最新医学社,1984)."呼吸器と免疫・アレルギー"を主題とする本特集においては,"免疫"を"免疫応答を基盤とした肺における生体防御機構"として意識し,"アレルギー"を"免疫応答を基盤として惹起された気管支・肺領域における機能障害あるいは傷害に至る機序"と考えておくこととしたい.
Sir Macfarlane Burnet,Prof. PB. Medawarの共同研究"acquired immunological tolerance"に対するノーベル賞授与(1960)を契機とする近代免疫学によってもたらされた25年の成果が,まことに目覚ましい革命的産物であったことはいうまでもない.
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