今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
水電解質異常の臨床—アプローチと症候治療
低K血症
藤田 敏郎
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.821
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220353
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低K血症の鑑別診断
一般に,低K血症はK欠乏の結果として生ずる.しかし,Kが細胞内に主として存在するイオンのため,K欠乏がなくても,細胞内外の分布の異常によって低K血症を示すことがある.従って,低K血症の原因は,1)K欠乏(K摂取不足,または体外へのK喪失),2)細胞外から細胞内へのK移行に大別できる(表).
食品中には,かなりの量のKが含まれているので,摂取不足のみで低K血症を起こすことは少なく,体外へのK喪失(利尿剤の使用,下痢など)が合併していることが多い.
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