今月の主題 アルコール障害
アルコールの代謝をめぐって
アルコールの酸素消費・血流への影響
石井 裕正
1
,
永田 茂之
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.396-398
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220248
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われわれが経口的に摂取したアルコールの8割以上は肝で代謝されており,長期間のアルコール摂取が肝における種々の物質代謝に影響を及ぼすことはよく知られている1,2).エタノールの代謝系にはアルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase:ADH),ミクロソームエタノール酸化系(microsomal ethanol oxidizing system:MEOS)およびカタラーゼの3つの酸化酵素系があげられる.
(1)CH3CH20H+NAD→CH3CHO+NADH+H(ADH)
(2)CH3CH20H+NADPH+H+O2→CH3CHO+NADP+2H20(MEOS)
(3)NADPH+H+O2→NADP+H202(NADPHoxidase)
CH3CH20H+H202→CH3CHO+2H20(catalase)
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