特集 飲酒の行動医学
アルコールの健康影響
成瀬 暢也
1
1埼玉県立精神保健総合センター
pp.258-261
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902061
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「酒は百薬の長」といわれ,その効用は古くから伝えられてきた.実際,適量の飲酒は虚血性心疾患や脳梗塞の危険を低下させるという報告は少なくない1,2).しかし,大量の飲酒が健康に悪影響を及ぼすことも周知の事実である.その一例として,筆者の勤務する埼玉県立精神保健総合センター中毒性精神障害専門病棟に,アルコール依存症(以下,ア症)で入院した患者の身体合併症について表に示す.
長期大量の飲酒が身体に有害であることは,ア症者が高い頻度で肝硬変をはじめとした合併症をもつことから明らかである.これら合併症の中から主なものを取り上げたい.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.