今月の主題 アルコール障害
アルコール医学—最近の進歩
石井 裕正
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.386-387
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220244
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アルコール医学の進歩
近年,欧米諸国のアルコール消費量の伸びが鈍化ないし低下傾向を示しているのに反して,わが国における酒類の消費量は依然として増加しつつあり,国税庁の統計によれば,過去20年間で酒類販売量は5倍の増加を示している.また厚生省,「飲酒と健康に関する日米共同研究班」によると,わが国における飲酒人口は6,400万人に及び,その中で大量飲酒(日本酒換算1日5合以上)を毎日している「アルコール依存症」者は220万人に達すると報告され社会的にも大きな反響を呼んでいる.このような大量飲酒者の多くは精神および身体,内臓の機能的・器質的障害を伴っていることは多くの統計によっても明らかである.
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