今月の主題 腎疾患—最近の展開とトピックス
糸球体腎炎:臨床と診断
膜性腎症
西 忠博
1
1東京大学医学部・第1内科
pp.1740-1742
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219952
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定義
膜性腎症(membranous nephropathy,以下MN)は糸球体基底膜(GBM)上皮下に広汎に(diffuse and global),免疫複合体(immune complex,以下IC)と思われる沈着物が存在することを形態的な特徴とする糸球体腎症であり,多くはネフローゼ症候群を呈する.MNの大部分(約70%)は,その病因がまったく不明で特発性(idiopathic)と呼ばれる.残りの約30%は多くの疾患や病態と関連して発現し,二次性(secondary)と呼ばれる(表)2).
ただし二次性のMNでも沈着しているICの抗原が同定されているもの(たとえばHBe-Ag,DNA)は例外的で,多くは推定によっている.以下,特発性のMNについて述べる.
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