今月の主題 免疫反応と臓器疾患
即時的過敏性反応
I型過敏症の機構と制御
奥平 博一
1
1東京大学医学部・物療内科
pp.814-817
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219743
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アトピー疾患を引き起こすレアギンの吸収実験を行っていた石坂ら1)は,レアギンが抗Fabとは反応するが,抗IgG,抗IgM,抗IgA,抗IgDのどれとも反応しないことを知った.そこで石坂らは,ブタクサ過敏症患者の血清を精製して得た高レアギン価分画でウサギを過免疫し,レアギン活性を吸収しうる"抗レアギン抗体"を得た.この"抗レアギン抗体"および131I標識ブタクサアレルゲン(AgE)を用いて検討したところ,レアギンはγ1の電気泳動度を持つ新種の免疫グロブリンに属することがわかり,この種の免疫グロブリンはIgEと命名された.図1に示すようにIgEは2つの大きなペプチド鎖(H鎖)と,2つの小さなペプチド鎖(L鎖)からなる.1つずつのH鎖とL鎖はs-s鎖でつながれ,1つの単位(半分子)になり,2つの半分子のH鎖がさらにs-s鎖で結ばれて1分子を構成する.IgEは一種の糖蛋白であり,分子量は約190,000,沈降定数は8.0sである.クラス特異的な抗原はFc部分に存在している.
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