今月の主題 内分泌疾患の新たな展開
早期診断へのヒントと診断の進め方
内分泌疾患を示唆する一般検査所見
久貝 信夫
1
1防衛医科大学校・第3内科
pp.388-389
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219646
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内分泌疾患の多くは,病歴と身体所見から診断を推定できるが,最終的にはradioimmunoassay等による特異的なホルモン測定と,内分泌機能検査により確定診断がなされる.しかしながら検査結果を得るまでに数日を要するため,初期の診断・治療計画の能率的実施,緊急治療は,短時間で結果が得られる一般検査所見を基に,客観的評価,鑑別を進め,さらに治療効果を定量的に判定しながら行われている.一般検査所見は特異性に乏しく,これらの成績のみから内分泌疾患を推定することは困難なことが多いが,特徴的臨床所見の乏しい疾患では,一般検査所見が診断への重要な手がかりになることもある.特にホルモン分泌とその効果が,直接feedback調節関係にある場合には,ホルモン効果の指標である一般検査所見は特異性が高く,内分泌機能状態を良く反映する.ホルモンの測定が普及する以前には,一般検査所見は内分泌学の重要な部分を占めていたわけで,今日でもその臨床的意義は高い.
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