今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
隣接疾患との鑑別
閉塞性気管支・細気管支炎
斎木 茂樹
1
Shigeki Saiki
1
1聖路加国際病院・病理学科
pp.2650-2651
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219533
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概念
かつて,気管支喘息という臨床診断の剖検例に,形態学的には,喘息にみるような気管支の攣縮や気管支腺の肥大,過分泌,好酸球浸潤を認めず,呼吸細気管支領域を中心に炎症細胞浸潤があり,呼吸細気管支の内腔の狭窄や閉塞を起こし,その末梢側に泡沫細胞の集簇巣を認めた.さらにその剖検肺では,呼吸細気管支病変は,肺内にびまん性に分布しており,これを,「びまん性汎細気管支炎:Diffuse Panbronchiolitis(DPB)」と呼んだ.
その後,多くの症例が集められ,厚生省特定疾患,間質性肺疾患調査研究班でもDPBが取り上げられ,全国的レベルで疫学的な面も含めて調査が行われている.
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