今月の主題 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
隣接疾患との鑑別
過誤腫性肺脈管筋腫症
岡野 弘
1
,
立花 昭生
1
Hiroshi Okano
1
,
Akio Tachibana
1
1焼津市立総合病院・呼吸器科
pp.2648-2649
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219532
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名称と概念
山中,斎木は1970年,本症の3症例を報告1)し,1978年,過誤腫性肺脈管筋腫症2)pulmonary hamarto-angiomyomatosisの名称を与えた.国外では,本症は病名の変遷を経て,現在,pulmonary lymphangio-myomatosis(Silversteinら,1974)肺リンパ管筋腫症と呼ばれている.
本症では平滑筋増生が主として肺胞系,肺の内外のリンパ管に目立ち,細静脈に及ぶことが本症の名称を生み,また結節性硬化症tuberous sclerosis(T. S.)ないしリンパ節の脈管筋腫などの過誤腫的性格をもつことが,本症名称の由来1,2,3)とされている.本症は生殖可能な女性のみにみられる点が特異的である1,2,3).本病名の最初の報告例1)は閉塞性肺機能障害が強く,注目された.
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