Japanese
English
綜説
閉塞性細気管支炎症候群
Bronchiolitis Obliterans Syndrome
須田 隆文
1
,
千田 金吾
1
Takafumi Suda
1
,
Kingo Chida
1
1浜松医科大学第二内科
1Second Division, Department of Internal Medicine, Hamamatsu University School of Medicine
pp.711-720
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101073
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はじめに
閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans;BO)は細気管支周囲の線維化によって細気管支腔が狭窄,閉塞する細気管支炎である.臨床的には移植後のBOがよく知られているが,移植以外でも,膠原病,薬物,感染など種々の病態,原因で本症は発症する.
したがって,BOは病理学的には非特異的な所見であり,様々な原因で発症する症候群として捉えることができる.本症の発症機序はその原因によって異なっていると考えられるが,一方で本症に共通した基本的な病態も推察されている.
近年,BOの動物モデルとしてマウスの気管を皮下に移植するheterotopic tracheal transplant model(HTTモデル)が開発され1,2),本症の病態解明が飛躍的に進んできた.本稿では,BOの臨床像などを概説するとともに,最近の知見に基づいた本症の発症機序や新しい治療戦略などについても解説したい.
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