臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅹ.内分泌機能検査
152.血中TSH測定,TRH試験
橋本 琢磨
1
Takuma Hashimoto
1
1金沢大学医学部付属病院・検査部
pp.2464-2466
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219473
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ヒトTSHは分子量28,300,α subunit(アミノ酸残基96,分子量14,700)およびβsubunit(アミノ酸残基110,分子量15,600)のペプチドおよび15%の糖質を含む糖蛋白である.TSHは下垂体thyrotrophで合成され,甲状腺のTSH受容体に結合し,cyclic AMPを介して甲状腺ホルモンの合成,分泌を行う.
TSHの分泌は主に視床下部のTRH(thyrotropin releasing hormone)刺激と甲状腺ホルモンのnega-tive feedback機構により調節されている.これらは視床下部-下垂体-甲状腺系と呼ばれている.TSH分泌は上記の物質のほか,ドーパミン,グルココルチコイド,エストロゲン,ソマトスタチンその他の関与をうける(図1).
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