臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
XII.細菌検査
152.感受性試験の読み方
舟田 久
1
1金沢大第3内科
pp.1988-1989
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216256
- 有料閲覧
- 文献概要
ディスク法とその問題点
感染症治療において原因菌の薬剤感受性測定は,効果ある抗菌剤療法のためにきわめて大切なことである.正確な感受性測定には,希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)が求められるが,日常検査では結核菌以外の病原菌に簡便な感受性ディスク法が用いられている.ここでは,感受性ディスク法の問題点と成績の読み方について述べる.
ディスク法は,被検菌を塗布した平板培地に一定量の抗菌剤を含む濾紙片(感受性ディスク)を置き,ディスク周囲の菌の発育阻止円の有無や大きさから菌の薬剤に対する感受性を知る方法である.現在,国産の感受性ディスクには,3濃度ディスク,1濃度ディスク,モノディスクの3種類がある.3濃度ディスクと1濃度ディスクは実施条件に多少の差はあるが,感受性を⧻(きわめて感性),⧺(かなり感性),+(やや感性),-(耐性)の4段階に区分する点は共通する.モノディスクは有効薬剤の能率的なスクリーニング用に考案され,感受性を+(感性),-(耐性)の2段階に分ける.4段階区分の⧻と⧺がこの場合の+に相当する.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.