臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
138.アルドラーゼ
浅香 正博
1
Masahiro Asaka
1
1北海道大学医学部・第3内科
pp.2428-2429
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219459
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アルドラーゼは嫌気性解糖系酵素の一員であり,果糖-1,6-2リン酸(FDP)と,果糖-1-リン酸(FIP)の分解を可逆的に触媒している.アルドラーゼには3種のアイソザイムの存在が知られており,A型は骨格筋に最も多く含まれ,次いで心筋,脳に多く含まれている.B型は肝に最も多く含まれ,次いで腎に多く含まれている.C型は脳および神経組織に多く含まれている1).このように,アルドラーゼアイソザイムは従来行われていた電気泳動による分析や筆者らのRIAの成績によると臓器特異性を強く有しているのが特徴である(表1).したがって,臨床において血清アルドラーゼ活性の上昇を認めた場合には,アイソザイムレベルで検討することが,診断ならびに予後判定の上で有用である.
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