臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅶ.免疫血清検査
87.ウイルス血清抗体価
中村 正夫
1
Masao Nakamura
1
1聖マリアンナ医科大学・臨床検査医学
pp.2298-2300
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219408
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異常値を示す疾患
ウイルス性疾患においては,ウイルスの種類,感染様式あるいは抗体価測定方法などによっても異なるが,単一血清についての抗体価の値よりも,急性期(発病後できるだけ早期,発病2〜3日)および回復期(発病後2〜3週)血清など2回以上のペア血清についての抗体価の変動(通常4倍以上)あるいは特異性が重要である.多くの臨床検査で決められているような正常値,異常値というものは定めにくい,血清検査は,原因となる病原体の直接証明ではなく,影を追っているようなものであるから,血清検査成績の解釈は慎重に行わなければならない.
通常,ペア血清で4倍以上の変動が認められ,あるいは,単一血清についても,非常な高値を示す場合には,それに対するウイルス感染を推定することになる.
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