臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅵ.血液検査
42.出血時間
山中 學
1
Manabu Yamanaka
1
1東京大学医学部・臨床検査医学
pp.2186-2188
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219363
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異常値を示す疾患
出血時間の異常はほとんどの場合出血時間の延長である.一般にわが国で行われる出血時間の測定法とは,Duke法とIvy法である.欧米ではDuke法は再現性のよくない点などの欠点が多いため,Ivy法と変っている.さらに穿刺あるいは切り傷のつくり方を標準化する目的で考案されたテンプレイト(template;型板)法あるいは市販の器具(Simplate,Simplate Ⅱ)を用いる法などが行われているが,わが国では一般化していない.
出血時間は皮膚毛細血管を穿刺し,傷口から湧出する血液が自然に止まるまでの時間をいう.これは主として血小板の粘着・凝集能,いわゆる一次止血機能に依存し,その機能低下は延長をきたす.そのほか血小板以外の原因(血漿,血管)による機能抑制や血管異常も当然出血時間の延長をきたす.
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