臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅵ.血液検査
43.血餅収縮試験
鈴木 弘文
1
,
松尾 純孝
1
Hirofumi Suzuki
1
,
Sumitaka Matsuo
1
1北里大学衛生学部・血液学
pp.2190-2191
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219364
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血餅収縮現象は,血小板自身の粘着および凝集などの一連の作用とともに,止血機構における血栓形成に関与する中心的役割をなす現象である.またこの血餅収縮現象発現については,血小板に含まれるアクチン,ミオシンなどの収縮性蛋白質と,それに対するアクトミオシン調節蛋白質,微小管,Caイオン依存性プロテアーゼなどがCaイオンを中心として微妙に関与し合い,調節されていることが次第に明らかにされてきた.
血餅収縮試験はこうした血小板機能の一検査法であり,血小板の量的,質的影響が大きく反映されることは周知のとおりである.またこの血餅収縮試験検査法は,血小板の量的,質的な条件のほかに,①血液成分の影響:赤血球数,血液凝固因子(内因系凝固因子,第ⅩⅢ因子,フィブリノゲン,プラスミンなど),②物理的因子の影響:測定時の温度,試験管の性状(ガラス製,シリコン処理の有無,プラスチック製,試験管壁の汚れやキズなど),そのほか薬剤などが関与することが知られており,検査成績判定に際してはこれらの因子についても十分考慮が必要であろう.
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