今月の主題 脳血管障害のトピックス
新しい検査法
脳血管障害におけるDigital Subtraction Angiographyの役割
高橋 睦正
1
Mutsumasa Takahashi
1
1熊本大学医学部・放射線科
pp.1944-1950
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219297
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血管造影は脳血管障害の診断には必須の検査法であり,古くから広く用いられている.しかし本法には合併症を併発することも少なくなく,とくに脳血管障害症例においては合併症の発生頻度が,他の疾患を有する症例に比べて高いとされている.したがって,より安全な血管造影法の出現が長い間待たれていたと言っても過言ではない.
1972年にCTが臨床に導入されて以来,コンピュータを放射線画像の処理に用いる試みがなされるようになり,その1つの方法として開発されたのがデジタルサブトラクション血管造影DigitalSubtraction Angiography(DSA)である.本法は1974年頃から開発が進み,1980年代になって広く臨床に用いられるようになった1〜5).本法の特徴は低濃度の造影剤でも画像を構成させることができること,画像の観察がreal timeにできること,などであり,これらの利点を用いた臨床応用が広く行われつつある.
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